排出事業者責任のリスクに備えて
「循環型社会」とは・・・
循環型社会形成推進基本法に基づいて、これまでの大量生産・大量消費・大量廃棄から脱却し、効率的な物質のリサイクルを進めることで環境への負担が軽減された社会のことです。
「循環型社会」の考え方に賛同しリサイクルの推進に努めることが企業価値を高めるひとつの指標として注目されています。
「排出事業者責任と罰則」
近年、様々な不法投棄事件がニュースとして取り上げられています。不法投棄をおこなった産業廃棄物処理業者に加え、廃棄物の処理を委託した排出事業者の名称が公表される事も少なくありません。 会社として違法行為が報道されれば、企業のイメージや信用の失墜につながり、経営の問題に発展する可能性もでてきます。
「排出事業者」は自ら出した産業廃棄物が適正に処理されるまで責任を持たねばなりません。排出事業者は処理を委託することは出来ても、「処理の責任」を委託することは出来ないのです。 このことを「排出事業者責任」といいます。
産業廃棄物の処理を委託していた産業廃棄物処理業社が不法投棄をしただけで、排出事業者は罰則の対象となるのでしょうか? 産業廃棄物処理業社が不法投棄しただけでは、排出事業者が罰則の対象とはなりません。
ただし、一定の要件に当てはまる場合はゴミの撤去命令等の行政処分を受ける可能性があります。
排出事業者が行政処分をうける要件
1.委託基準違反
2.マニフェストの記録・交付・保存義務等の違反
3.排出事業者が適正な処理費を負担していない場合
4.排出事業者が不法投棄を知ることができた場合
5.排出事業者がその他の排出者責任を果たしていない場合
これらの要件が1つでも当てはまれば、排出事業者が行政処分をうける可能性があります。
リスクに備えた対策
産業廃棄物の処理に関し、排出事業者はリスクに備えた対策が必要とされています。
対策のポイントは2つあります。
(1) コンプライアンスのチェック
産業廃棄物処理に係るコンプライアンスは、産業廃棄物処理委託契約書の締結内容、処分業社の許可内容、マニフェスト伝票の運用、処理のフロー等
(2) 処理業者の処理状況及び現地確認
平成23年4月に改正された産業廃棄物処理法において、産業廃棄物の排出事業者として法令違反を犯すリスクを低減させる為に「処理業社処理状況現地確認」を行うことが重視され(処理状況に関する確認の努力義務の明確化)が盛り込まれました。※第12条第7項及び第12条の2第7項
当社では、排出者責任に対応する為に処理業者の処理状況現地確認や記録書類の作成等もサポートさせて頂きます。
排出事業者と処理業社がコミニュケーションを確保し、どの様なコンプライアンスが守られ、廃棄物がどの様に処理されているかを確認した上で、安心して廃棄物の処理を委託や受託する関係を築き上げていくことが産業廃棄物を排出する事業者にも求められています。